Tiffany.J『孤独人間解放』

死ぬまでに友達できたらいいな…

教師と警察官は別人になれるのか

小学校中学年の時

同級生の中に担任教師の指示や質問にほぼ反応しない児童がいた

教員になってから振り返れば

学習障害自閉症スペクトラム障害の可能性があったのではないかと思う

反応しないのではなく反応できなかったのだろう

しかし、教師は毎日毎日𠮟りつけていた

「なぜしないのか」「なぜわからないのか」と

ある日の授業中、教師がその子を指名した

その子は俯いたまま体を固めて動かなくなった

そのまま数分が過ぎた時、教師の苛立ちが頂点に達し

顔を真っ赤にしながらその子の席の前に立った

教員は

「みんなに迷惑だから教室から出ていきなさい!」と言った

尚も微動だにしない児童に教師のプライドが爆発を起こしたのか

その子から机を剥ぎ取り、体ごと引き摺って廊下に放り投げた

その子は発狂したように泣きながら大暴れして教員と揉み合いになった

 

小学校高学年のある日

休み時間の雑踏の中に担任教師の怒号が突き抜けた

同級生の一人がふざけていて

肢体不自由の方の歩き方の真似をして周囲の笑いをとろうとしたのだ

教師はその児童を鬼のような形相で睨みつけ大声を張り上げながら一直線に走り寄ると

児童の脳天目掛けて鋭利な言葉を雷の如く刺し続けた

 

同じく高学年のある日

下級生の教室を通り過ぎた時、急に悲鳴のような声が聞こえた

中を覗くと教師が「うるせーんだよ!」と言いながら机を蹴り飛ばしていた

 

中学の時

授業をする教師達の声だけが響く授業中

廊下から青ざめた不穏な風が吹き込んできた

生徒のざわめきと机や椅子がぶつかり合うような音が微かに聞こえた

後で聞いたことだが

ある生徒の返事の仕方が気に入らなかった教師が突如キレて殴り掛かったのだという

「態度が悪い!」「ナメているのか!」と

生徒は血を流しながら謝ったが、何度も何度も殴り続けたらしい

 

高校の時

数学教師は生徒が質問をすると「話を聞いていないのか」と怒鳴り散らしていたし

化学教師は常に竹刀を持っていて、生徒が間違えると竹刀でそこら中を叩きながら怒り狂った

 

正規教員として初任で2年生を担任した時

学年集会で整列し体育座りをする子どもの中に脚を横に伸ばしている児童がいた

その児童の担任はそれを見るなりその子の足を叩き

「悪い足だ!」と言った

 

所謂荒れた地域の学校で勤務していた時

隣の中学校では生徒の校内暴力が日常化していた

教師が生徒に殴られる、リンチに遭うことはざらだった

教師が強く言えば放課後や卒業後学校の門前で待ち伏せし集団でお礼参り

そのおかげでケガや病気で長期休暇を取る教師が後を絶たなかった

会議で訪れた他校の校長が生徒に突然殴りかかられ大ケガを負うこともあった

配属されたら最後、まともに離任することはできない魔の学校と言われていた

私も小中連携などで年に数回訪れる際は一人にならないよう注意を払った

補充しても次々と入院者が出る状況に

学校は積極的に警察に通報する指針を決定した

校内には警察OBが配置された

予想通り相次いで補導者が出た

1年後、校内暴力はかなり減少した

 

教師が教師に戻っていく過程を見たような気がした

 

 

私自身も教員生活の中で子どもを強く叱ったこともある

 

 

教師は子どもの警察である必要はあるのか?

教師に児童生徒を犯罪者の如く扱う権利はあるのか?

 

学校内において子どもの行いを裁き、その上罰を執行する

人道や倫理を説くその口でその手で児童生徒に制裁を与える

集団をまとめるため、子どもを導くため

子どもが言うことを聞かないから、悪いことをしたから

 

もちろん教師にそのような権利はないし

どのような場合も暴力・暴言、脅迫、ハラスメントは許されない

しかし、子どもの体感として

教師は警察でもあり裁判官でもあり刑の執行人でもあるのだ

 

それまで穏やかな顔をしていた教師が鬼に豹変する

一度それを味わった児童生徒は教師に内在する鬼を恐れて行動するようになる

教師が暴走し出せば子どもには止められない

教師が間違っていても

友人を助ける術も知恵も与えられてはいないのだ

 

先日、あるYouTuberが

「警察が怖いからみんな言うことを聞く」と言った

大人でさえ”怖いから”法律やモラルを守っているのかと唖然とした

 

警察には法律に則って、それを犯した国民の権利を制限することができる

罪の代償として自由や権利を制限される意味に向き合わなければならないのに

今までの教育は警察そのものや警察の行為に対する恐怖心を叩きこんでいるに過ぎなかったのか

そうであるが故に法律を守っている人がいて警察から逃げる人がいる事実がある

 

確かに法律は声を出すことができる人の最大公約数だ

選挙とは投票所に足を運ぶことができた人の最大公約数だし

世論とは話を聞いてもらうことができた人の最大公約数だ

個人の善悪や利得とは完全に合致しないし

警察は法律からはみ出てしまった人間を問答無用に取り締まるのだろう

それが警察の職務であり、だからこそ日本の治安が保たれてきた

 

 

日本の”学校という治外法権の蔓延った空間”で

いじめという犯罪の発生をどうやって予防し、

加害者をどうやって指導し、被害者をどうやって救うのか

教師が教師の範疇を越える瞬間をどうやって予防するのか

 

 

いつになれば教師と警察官は別人になれるのか……

 

 

 

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